チャリンコの効能(その2)

昨日に続いてチャリンコの薦め、その2
若者には絶対に理解出来ない言葉の一つに「若い頃の苦労は買ってでもしろ」という言葉がある。
勿論、自分も理解していなかったから今の人生があるわけで、偉そうな事を言うつもりはさらさらない。
この歳になってみると「もしかするとこーゆー事だったのかな?」と思うことがしばしばある。特に自転車通勤のシーズンに。
本当の事を言うと自転車で小高い山の上にある職場に通勤するのは凄く嫌だ。
毎朝、そして帰宅時に憂鬱な気分になっている。
毎朝天気予報に傘マークがある事を期待したり、無理して仕事に差し支えちゃいけないと思ってみたり、どうにか理由をつけて車に乗ろうとする怠惰な自分と戦っている。
決して自転車が好きな訳じゃない。
乗物としての自転車は好きだけど、それは平地を30km/hくらいのスピードで巡行できる場合の話であって、坂道を登るのは決して好きじゃない。
ところが、この憂鬱な気分は自転車に股がって漕ぎ出してしまうまでで、いざ、漕ぎ出してしまうとあれほど憂鬱だった気持ちは色褪せて、諦めと言うか逆に前向きな気持ちがフツフツと湧いて来る。
毎日その繰り返し。
その事実を知っているから、あの憂鬱な気持ちに毎日打ち勝つ事ができている。
そして、所詮30分程度で辛い時間が終わってしまうということが学習出来ているから毎日乗り越えることができてる。
この「状況は変わるという”事実を知る”」ことや「時間が解決してくれる事を”学習できている”」ということが大切なんだと思う。
思うに、「苦労は買ってでもしろ」とはこの事なんじゃないかと思う。
辛い事を何度も繰返し経験しなければ決して学習出来ない。
こればかりは書物からも吸収できない。
辛い事は努力で状況を変える事もできれば時間が解決してくれる側面があると言う事を理解していないとただ漫然と辛さに押しつぶされてしまう。
そこで出くわした分かれ道に平坦そうな道と険しそうな道があれば安易に平坦な道を選んでしまう傾向が人にはある。
平坦な道はその先もずっと平坦だとは限らないのに。
そういう大人にならない様に「若い頃の苦労は買ってでもしろ」なんだと思う。
今の若い連中には「何処で売ってんスカ?」とか聞かれそうだけど。(笑)
何でも良いと思う。
嫌な事、辛い事を定常的かつ習慣的にやる様に試しに自分を追い込んでみれば良い。
自転車通勤のモチベーションを高める工夫にデータの収集がある。
毎日必ず(登りの往路だけ)タイムを計って記録している。
2001年からやってるから今年で8年目。
基本的には収集癖のある人間じゃないと、このデータが蓄積されて行くことの喜びは見出せないのかもしれないけど。
そしてデータは嘘をつかない。
必ず毎年シーズン始めから終わりに向けてタイムは向上曲線を描く。
いざ乗ってしまえば昨日より良いタイムで!ベストタイムの更新!というモチベーションを生む。
若い人にとって一番効果が高いのは勉強じゃないかと思う。
日本が学歴社会だという事は否定できない事実。
一生懸命受験勉強して良い大学を卒業した人が社会のアッパークラスを形成してきた。
基本的に。
例外もあるけど。
当たり前だけど大部分の人は例外ではなく基本に収まる。
幸か不幸か日本の学歴社会は大学に入るまでの競争に勝てば良い。
つまり高校を卒業するまで大学入試に向けた勉強をすれば良いわけで、そこまで勉強と言う苦労を買ってでもすれば良いわけだ。
今になって思えば高校生程度の年齢で差がつくのは本当の(持って生まれた)頭の善し悪しではないと思う。
勉強した者勝ち。
如何に真面目に勉強に取り組むか(若干の方法論は勿論あるが)、他の魅力的な誘惑を遠ざけて如何に効率良い勉強に時間を費やすかで決まって来ると思う。
持って生まれた頭の善し悪しで差がつくのは、そこまでに勉強と言う習慣を身につけた者だけがスタートラインに並ぶ権利のある競争であって、ハッキリ言ってその時点で学歴社会に乗り遅れてしまった人は切り捨てられてる。
社会から競争に参加しているとは認められない。
そこにアウトローという別の世界が広がる事になるわけだけど。
これが所謂社会の二層化だ。
学歴社会を往き抜いてアッパークラスを形成した人達は、自分が何故そのポジションに居るかをよく理解している。
自分の何処が周囲から評価されたのか。
そーゆー人達が社会の上層を支配している社会においては、評価される価値基準は自ずと決まって来る。
つまり、如何に真面目に学歴社会を戦い抜いて来たか。
戦える基礎を築くために「若い頃の苦労は買ってでもしろ」という事を大人は若い人に伝えたいんだけど、若者はそれが理解出来ない。
この歳になって毎日自分に鞭打って自転車に乗ることを意識するようになって、ふとそんな事を思う今日この頃。
人生に直面する様々なシーンにおいて”辛さ慣れ”は必要だと思う。
そのために好んでちょっとした辛い思いをしておいた方がいつでも準備万端で居られる。
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